現役教師が小学生の子ども達に毎日送るハッピー黒板

世界の孤児院や学校を周りながら世界一周。そんな現役教師が小学生の子ども達に毎日送るハッピー黒板

勉強よりも大切な命の話。ものに溢れる時代だからこそ考えなきゃいけない「命をいただくということ」


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今日のお話は
調理実習があった日に黒板に書いた話です。

 

 


現代の子どもたちは

好き嫌いが激しいと言われています。

 

 


たしかに、学校給食の様子を見ていると
たくさんの給食が余っていることもあります。

 

 


私は、食についてしっかり見つめることはとても大切なことだと思い
この黒板を書きました。

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【いのちをいただくということ】

 


「いただきます」って言葉は
日本ならではの言葉なんだそうです。

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だから、
この言葉を知らない外国の人は、
「いただきますって何?」
と聞いてきます。

 

   
  
  
もしも
みなさんが子どもたちに、
「なんで食べる前に『いただきます』って言わなきゃいけないの?」
って聞かれたとしたら、どう答えますか?


  
  
  
  
  


「命をいただく動植物、食料を生産してくれた人、そして調理してくれた人に感謝するためなんだよ」
って答えますか??

  
  
  

 

 

 

 

 

 

子どもたちにその話をして、どれくらいの子どもたちが
心から納得するでしょうか?

 

 

  
  

子どもたちはおそらく、
似たようなことを
何回も聞いているはずなんです。

  
  
  
  
でも、それが多くの子どもたちの心に響いていないのではないでしょうか。


 

  
  
頭ではわかっているけど、心でわかっていない状態。


それは、今の子どもたちが
不足した状態を知らないからです。

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目の前に食べるものがあることが当たり前。
不足しないのが当たり前。

 

 

 

それが当たり前の中にいると

感謝は生まれにくいのだと思います。

 

 

 

 

私だって、世界一周に出ていなければ
こんな感謝の気持ちなどなかなか持てなかったかもしれません。


  

 

 


世界中を旅をしていた時、よく「食べること」に対して
真剣に考えることがありました。

  
  
  
  
一日1ドル以下で生活するカンボジアの子供達と接して。
フィリピンの家庭料理に触れて。
インドの子供達のお弁当を見て。
インドとモロッコでニワトリが肉に変わる瞬間を見て。
ヤギと牛を絞める場面を手伝って。


  
普段私たちは  
頭では分かっているけど心でわかっていないことがあります。

 

 

 

  
「私たちは他の《生》の犠牲がないと生きていけない」という事実。

 

 

 

 


モロッコでは、生きたニワトリをまるごと調理しました。
1分前まで生きていたニワトリが、首を切られ、羽をむしられ
内臓を出され、みなさんがよく知るチキンになって出てくる。

まだ暖かい生肉。
忘れられないニワトリの最後の叫び声。

 

 

 


イスラムのクリスマスに、目の前でヤギを絞め、肉にしたものを食べました。
嫌がるヤギ、毛を刈られるヤギ、首を切られ、切られていく姿。私はヤギの頭を押さえていました。

  

 

 

 

「私たちは他の《生》の犠牲がないと生きていけない」


五感をフルに刺激されました。

 

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こんなインスタ映えな写真も

他の生の犠牲がないと生まれてきません。

 

 

 

 

 

 

私は
いただきますの意味には2つあると思っています。


①他の命をいただく


動物と植物の一番の違いは何か?

それは

  
  
「動物は、食べるために動かなければならない。」
「植物は、食べる必要がないので動かなくていい。」

 

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ではないでしょうか?

  

 


植物は動けないじゃないんです。
動かなくていいんです。

 

 

 

  
なぜか?
生きていくための栄養を、太陽と水と二酸化炭素を使って自分の力で作り出すことができるからです。

 

私たち動物にはそれができません。
だから、
どうしても他の生き物を「食べる」必要がある。

  

 

 

 

私たちがそうであるように、
動物だろうが植物だろうが
自分の命があるかぎり精いっぱい生き続けたい!
そう思っているんだと思います。

 

   


  
私たち動物は、
そんな一生懸命生きている他の生き物の「いのち」を
奪わなければ、生きていくことができない生き物なんです。

  

 

 


  
②作ってくれた人の時間(命)をいただく

今日、お母さんは、
30分かけて朝ご飯を作りました。

 

今日の夕食、お母さんは、
1時間かけて夕ご飯を作ります。

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その朝ご飯には
お母さんの30分ぶんの命、
夕ご飯には
1時間分の命が込められています。


それだけではありません。

 

 

 


1つの食卓に並ぶと全ての食材には
生産者が必ずいます。

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お米を作るために半年の命を費やした方
牛を3年かけて育てるために命を費やした方
お茶を1年かけて・・・

 

 


そして、それらの食材を運搬する人の命の時間
その食材を陳列するスーパーの人の命の時間

 

 

 

1つのご飯メニューが完成するのに
一体どれほどの命が関わってくれているのでしょう。

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それを想像すると
果てしなく食事は尊いものだということが分かります。

 

このことをどうやって子供達に伝えていくか
どう心に落とし込めるか。
重要じゃないかなと思います。

  


  

以下の文章は


内田産婦人科医院の
内田美智子先生が書いた、

 


「いのちをいただく」
という絵本のもとになったお話です。

 

 

 

坂本さんは、
食肉加工センターに勤めています。
牛を殺して、
お肉にする仕事です。時間がありましたらご覧ください。

 

 

 

坂本さんは
この仕事がずっといやでした。
牛を殺す人がいなければ、
牛の肉はだれも食べられません。
だから、

 


大切な仕事だということは
分かっています。

 

でも、殺される牛と目が合うたびに、
仕事がいやになるのです。

 

 

「いつかやめよう、いつかやめよう」
と思いなが仕事をしていました。

 

 

坂本さんの子どもは、
小学3年生です。

 

 

しのぶ君という男の子です。

 

 

 

ある日、小学校から
授業参観のお知らせがありました。

 

 

これまでは、
しのぶ君のお母さんが行っていたのですが、
その日は用事があってどうしても行けませんでした。

 

 

そこで、
坂本さんが授業参観に
行くことになりました。

 

 

いよいよ、
参観日がやってきました。
「しのぶは、ちゃんと手を挙げて
 発表できるやろうか?」

 

 

坂本さんは、
期待と少しの心配を抱きながら、
小学校の門をくぐりました。

 

 

授業参観は、
社会科の「いろんな仕事」
という授業でした。

 

 

先生が子どもたち一人一人に
「お父さん、お母さんの
 仕事を知っていますか?」
「どんな仕事ですか?」
と尋ねていました。

 

 

しのぶ君の番になりました。
坂本さんはしのぶ君に、自分の仕事について
あまり話したことがありませんでした。

 

 

 

何と答えるのだろうと
不安に思っていると、

 

 

しのぶ君は、
小さい声で言いました。
「肉屋です。普通の肉屋です」

 

 

坂本さんは
「そうかぁ」とつぶやきました。
坂本さんが家で新聞を読んでいると、
しのぶ君が帰ってきました。

 

 

「お父さんが仕事ばせんと、
 みんなが肉ば食べれんとやね」

 

 

何で急にそんなことを言い出すのだろうと
坂本さんが不思議に思って聞き返すと

 

 


しのぶ君は学校の帰り際に、
担任の先生に呼び止められて
こう言われたというのです。

 

 

「坂本、何でお父さんの仕事ば
 普通の肉屋て言うたとや?」

 

 

「ばってん、カッコわるかもん。
 一回、見たことがあるばってん、
 血のいっぱいついてから
 カッコわるかもん…」

 

 

「坂本、 おまえのお父さんが仕事ばせんと、
 先生も、坂本も、校長先生も、
 会社の社長さんも肉ば食べれんとぞ。
 すごか仕事ぞ」

 

 


しのぶ君はそこまで一気にしゃべり、

 

 

最後に、
「お父さんの仕事はすごかとやね!」
と言いました。

 

 

その言葉を聞いて、
坂本さんはもう少し仕事を
続けようかなと思いました。

 

 

ある日、
一日の仕事を終えた坂本さんが
事務所で休んでいると、
一台のトラックが食肉加工センターの門をくぐってきました。

 

 

荷台には、明日、
殺される予定の牛が
積まれていました。

 

 

坂本さんが
「明日の牛ばいねぇ…」と思って見ていると、
助手席から十歳くらいの女の子が
飛び降りてきました。

 

 

そして、
そのままトラックの荷台に上がっていきました。

 

 

坂本さんは
「危なかねぇ…」と思って見ていましたが、
しばらくたっても降りてこないので、

 

 

心配になってトラックに近づいてみました。
すると、女の子が牛に話しかけている声が

 

 

聞こえてきました。
「みいちゃん、ごめんねぇ。
 みいちゃん、ごめんねぇ…」
「みいちゃんが肉にならんと
 お正月が来んて、
 じいちゃんの言わすけん、
 みいちゃんば売らんと
 みんなが暮らせんけん。
 ごめんねぇ。
 みいちゃん、ごめんねぇ…」

 

 

 

そう言いながら、
一生懸命に牛のお腹を
さすっていました。

 

 

坂本さんは
「見なきゃよかった」
と思いました。
トラックの運転席から
女の子のおじいちゃんが降りてきて、
坂本さんに頭を下げました。

 

 

 

「坂本さん、 みいちゃんは、
この子と一緒に育ちました。
だけん、ずっとうちに置いとくつもりでした。

ばってん、みいちゃんば売らんと、
この子にお年玉も、クリスマスプレゼントも買ってやれんとです。
明日は、どうぞ、
よろしくお願いします」

 

 

坂本さんは、
「この仕事はやめよう。もうできん」
と思いました。

 

 

そして思いついたのが、
明日の仕事を休むことでした。

 

 

坂本さんは、家に帰り、
みいちゃんと女の子のことを
しのぶ君に話しました。

 

 

「お父さんは、みいちゃんを殺すことはできんけん、
明日は仕事を休もうと思っとる…」

 

 

そう言うと、
しのぶ君は「ふ~ん…」と言ってしばらく黙った後、
テレビに目を移しました。

 

 


その夜、
いつものように坂本さんは、しのぶ君と一緒に
お風呂に入りました。

 

 

しのぶ君は坂本さんの背中を
流しながら言いました。

 

 

「お父さん、やっぱりお父さんが
 してやった方がよかよ。心の無か人がしたら、
 牛が苦しむけん。お父さんがしてやんなっせ」

 

 

坂本さんは
黙って聞いていましたが、
それでも決心は
変わりませんでした。

 

 

朝、坂本さんは、
しのぶ君が小学校に出かけるのを
待っていました。

 

 

「行ってくるけん!」
元気な声と扉を開ける音がしました。

 

 

その直後、玄関がまた開いて
「お父さん、今日は行かなんよ!わかった?」
としのぶ君が叫んでいます。

 

 


坂本さんは思わず、
「おう、わかった」と
答えてしまいました。

 

 

その声を聞くとしのぶ君は
「行ってきまーす!」
と走って学校に向かいました。

 

 

「あ~あ、子どもと約束したけん、
 行かなねぇ」とお母さん。

 

 

坂本さんは、渋い顔をしながら、
仕事へと出かけました。会社に着いても気が重くて
しかたがありませんでした。

 

 

少し早く着いたので
みいちゃんをそっと見に行きました。
牛舎に入ると、みいちゃんは、
他の牛がするように角を下げて、
坂本さんを威嚇するような
ポーズをとりました。

 

 

坂本さんは迷いましたが、
そっと手を出すと、
最初は威嚇していたみいちゃんも、
しだいに坂本さんの手を
くんくんと嗅ぐようになりました。

 

 

坂本さんが、
「みいちゃん、ごめんよう。
 みいちゃんが肉にならんと、
 みんなが困るけん。
 ごめんよう…」

 

 

と言うと、
みいちゃんは、
坂本さんに
首をこすり付けてきました。

 

 

それから、坂本さんは、
女の子がしていたように
お腹をさすりながら、

 

 

「みいちゃん、じっとしとけよ。
 動いたら急所をはずすけん、
 そしたら余計苦しかけん、
 じっとしとけよ。じっとしとけよ」

 

 

と言い聞かせました。

 

 

 

 

 

牛を殺し解体する、
その時が来ました。

 

 

坂本さんが、
「じっとしとけよ、
 みいちゃんじっとしとけよ」

と言うと、

 

 

みいちゃんは、
ちょっとも動きませんでした。
その時、
みいちゃんの大きな目から
涙がこぼれ落ちてきました。

 

 

坂本さんは、
牛が泣くのを初めて見ました。

 

 

そして、
坂本さんが、ピストルのような道具を頭に当てると、
みいちゃんは崩れるように倒れ、
少しも動くことはありませんでした。

 

 

普通は、
牛が何かを察して頭を振るので、
急所から少しずれることがよくあり、
倒れた後に大暴れするそうです。

 

 

次の日、
おじいちゃんが
食肉加工センターにやって来て、

 

 

坂本さんに
しみじみとこう言いました。
「坂本さんありがとうございました。
 昨日、あの肉は少しもらって帰って、
 みんなで食べました。
 孫は泣いて食べませんでしたが、
 『みいちゃんのおかげで
  みんなが暮らせるとぞ。
  食べてやれ。
  みいちゃんにありがとうと
  言うて食べてやらな、
  みいちゃんがかわいそうかろ?
  食べてやんなっせ。』

 

 

 って言うたら、孫は泣きながら、
 『みいちゃんいただきます。
  おいしかぁ、おいしかぁ。』
 て言うて食べました。
 ありがとうございました」

 

 

 

 

 

坂本さんは、
もう少しこの仕事を
続けようと思いました。

 

 

  
  
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いかがでしたか??

食に対して、命に対して、少し考えていただけたら幸いです。