みなさんは、『主体性と自主性の違い』を知っていますか?
私は恥ずかしながら教員を始めるまで、というより、この黒板を書いてこうやって記事を書くまで知らずに使っていました。
違いがわかったからなんだって話なのですが
この「自主性」と「主体性」は本当にこれからの日本で大切な要素です。
身につけておくべき力だと思います。
では、その違いとは何でしょうか?
まずは、辞書からその意味を読み取ってみましょう。
自主的:[形動]他からの指図や干渉によらずに、なすべきことを自分の意思に基づいて行うさま。「自主的な活動」
主体的:[形動]自分の意志・判断に基づいて行動するさま。「主体的な行動」
辞書の内容から読み取れるように
自主的:他からの指図や干渉によらずに、なすべきことを自分の意思に基づいて行うさま。
↑
この「なすべきこと」をするか、そうでないかの違いになってくるのかと思います。
私の解釈ですが
『自主性』とは
他人からの干渉や保護を受けず、独立してことを行うことです。
自主性は単純に「やるべきこと」は明確になっていて、 その行動人に言われる前に率先して自らやることです。
例えるなら、
宿題という「やるべきこと」を
誰にも、何も言われずに自分で「やろう!」と思ってやることができるということです。
『主体性』とは
様々な状況下においても自分の意志や判断で行動するということです。
つまり「主体性」は、何をやるかは決まっていない状況でも自分で考えて、判断し行動するということになります。
これは、例えるなら勉強でいう「自主勉強」です。
何をやるかも、どれ位の量をやるかも自由。自分自身がやると決めて行動するものです。
もう少し比較をすると
宿題を自分からする→自主的
宿題だけではなく、自分から何か勉強をする→主体的
係活動を進んで行う→自主的
係活動だけでなく、クラスをよりよくするためにアイデアを出したり、新しい行動を行う→主体的
だということになります。
普段の学校生活をしていると
どうしてもこの二つを育てることが難しくなる時があります。
宿題は必ずでるし
授業は範囲が決められている
しかし、教員や保護者の方が意識を変えることで
子どもたちに
「自主性」と「主体性」を育むことができると私は考えています。
それは子どもが動きやすい環境をつくることです。
ここでは宿題を例にとって自主的に、主体的に行動する能力を育むために必要な事を紹介したいと思います。
それは【見守ること】です。
「こうしなさい!」
「まだやっていないのか?」
「はやくしなさい!」
このような言葉を控えることです。
子どもが動く事を信じて待つことです。
しかし、これが結構難しかったりします。
手をかけたくなったり、口を出したくなってしまうものです。
それが親心であり、教師心です。
しかし、そこはあえてどっしりじっくり「信じて待つ」のです。
もし、動きが見られなかった場合は
イライラせず指導ではなく提案、紹介をすることです。
「こんな風にすると、楽しく宿題終わらせられるよ」
「お母さんは、こんな風に宿題やったら成績すごくあがったんだけどなー」
と提案をし、紹介することです。
そして、また【見守ること】です。
その次には
【やってみせる】ことです。
身近な大人が、自主的に、主体的に、楽しそうに仕事や家事、課題を乗り越えていく姿を見せてあげることです。
「なんでこんなに楽しそうにしてるんだろう?」
と思わせたらこっちのもの。
聞かれたらこの一言です。
「なんでだと思う??」
そうすることで子どもの思考が働き出します。
子どもがどんな答えを持ってきても返す言葉は同じです。
「おっ!じゃあ、君も宿題をやるときに同じようにやってみたら?楽しくなるかもよ?」
こうして実践させていくのです。
すると子供達は
自ら考え行動するようになります。
しかし、これはとても時間が必要です。
一年、二年という単位かもしれません。
怒ったり、叱ったり、大人の権力を使えば宿題をさせることはその場でできます。
しかし、そこには
主体性も、自主性もありません。
信じる力です。
長い目で、大きな心で
子どもを見守り、大人が動く。
それが、子どもが幸せになるための大人の役目ではないでしょうか。