◆「ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン」の行き過ぎた誤解◆
みなさんもご存知のSMAPの「世界に一つだけの花」です。
SMAPが解散して、またこの曲が取り上げられていました。
世界に一つだけの花」が愛された理由について、Jcastニュースでこのような記事が掲載されていました。
音楽評論家・湯川れい子氏の「戦後の競争社会の中で、自分の存在意義を見つけられないで苦しむ人々がたくさん出た。
年間に三万人もが自殺するような社会の圧迫感の中で、『オンリーワン』を大切にしたいという思いがあった」、教育評論家・尾木直樹氏の「(小泉政権の)聖域なき構造改革がもたらしたのは、弱者を切り捨てる成果主義。
競争社会が加速した時代だったからこそ、違和感を持つ人々の胸にすとんと落ちた」、弁護士・伊藤真氏の「自分の憲法の講義では、最も大切な一三条の『個人の尊重』から始めている。そのときにこの歌を例示している」というコメントを紹介している。
一方で評論家の岸本裕紀子氏は、「若者の向上心のなさや現実逃避と結び付け、批判的な解釈が生まれることになった」とマイナス面を指摘している。
私自身も他人と比較することはあまり良くないと思っている人間です。
テストを返す度に
「いいか〜テストの点数を他人と比べて喜んだり悲しんだりしてもあまり意味はない。比べるべきは、自分自身だよ。自分がやってきたことの成果をわかりやすく確認するのがテストだからね。テストが帰ってきてからどう行動するのかが大事だよ」
なんて言っています。
しかし、この「オンリーワン」という解釈に私は行き過ぎた誤解があるのではないかと思っています。
そもそも、オンリーワンとは
「もうすでに君たちは唯一無二の存在なんだから、ナンバーワンになろうとしなくてもいいんだよ。そのままで大丈夫!」
というものではないと思っています。
確かに人は、生まれながらにして価値があるし、どんな子どもも、それぞれ違うのでオンリーワンなわけです。
人と比較して苦しんでいる人にはしっかり伝えてあげるべきメッセージだと思います。
しかし
「君はオンリーワンだから何もしなくても大丈夫!」と言われて
自己肯定感生まれますか?
私は、難しいんじゃないかなと思っています。
自分を好きでいてあげるためには、ありのままの自分を受け入れる勇気が必要です。
歌詞をよく見てもらえばわかるのですが
そうさ 僕らも
世界に一つだけの花
一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい
「君はオンリーワンなんだから、そのままで大丈夫」
ではなく
「君は、オンリーワンのものを持っている。全てにおいて一番になろうとする必要なんてない。自分の種を理解して、そこで花を咲かせるために自分を磨こう」
ということなのではないかと解釈しています。
つまり
全員が全員、勉強でいい点を取ろうとしなくていい。
全員が全員、スポーツでいい成果を上げようとしなくていい。
全員が全員、成績トップを目指さなくていい。
自分で自分の居場所を見つけて、そこで輝ける人間になってねということです。
不思議なもので、一つのもので自信がつくと、歯車がカチッとはまり、いろんなことが順調になってくる。
◆席替えチャレンジ!周りにこれだけは負けない!という「ナンバーワンを探せ!」◆
席替えチャレンジって何?って方はこちらから
今回のチャレンジは
それぞれ、子どもたちには良いところが沢山あります。
しかし、学校の中での評価基準だけだと、どうしても「勉強」「スポーツ」「リーダーシップ」「絵のうまさ」などの偏りが出るものでしか比べることができません。
それだと、どれにでも当てはまらない子が当然出てきます。
しかし、そんなことだけではなく、もっと自分の「これなら誰にも負けない自信がある」というものを探して欲しいと思っています。
それは
「挨拶の元気さならナンバーワンだ!」
「1日の読書量ならナンバーワンだ!」
「優しさナンバーワンだ!」
「笑顔の素敵さナンバーワンだ!」
なんでもいいんです。
もっとえば、「笑顔の素敵さナンバーワン」が数人いたっていい。
実際誰かに測ってもらうわけでもないし、評価基準があるわけでもない。
大切なのは「これなら誰にも負けない!」
と自分が自分を認めてあげること。
そしてそれを武器にできるようにすること。
それこそが本当の意味で「オンリーワン」になることだと思います。
子供達は楽しみながらチャレンジ達成でした!
ちなみに子どもたちに「先生は何のナンバーワンなの?」と聞かれたので
「このクラスを想う気持ちナンバーワン!」
「みんなのこと大好きナンバーワン!」
「1日のチョークを使う量ナンバーワン!」と伝えました笑