前回の記事では、
クラスルールを作った話を書きました。
まだ読まれていない方は、こちらから読んでいただけると
この後の話がスムーズにわかりやすいと思います。
一ヶ月以上かけてクラスみんなでルールを考える。
授業時間にはなかなか時間が取れないので
作るのに苦労と時間がかかりましたが
それでも焦らずじっくりルールを作っていきました。
それは、内容よりもプロセスを大切にしているからです。
そこでどんな意識を育てるかというと
「当事者意識」です。
当事者意識とは
自分自身が、その事柄に直接関係すると分かっていること。関係者であるという自覚。
デジタル大辞泉の解説
です。
学校で言うと
「自分がこのクラスを作っている一員なんだ」という意識を育てることです。
しかし、現実、学校を見渡していると
必ずしもそうではない子供たちも多くいます。
当事者意識が低いと、その子は傍観者になってしまいます。
クラスを作っていくのは、自分ではなくリーダーや先生。
自分は周りのみんなに合わせてついていく。
そんな子供もたくさんいます。
それがいけないわけではないのですが、せっかく偶然出会った子供たち。
もっと、「自分は必要な人間だ」「自分は大切な存在だ」と自分自身で感じてほしいですよね。
当事者意識が低い人の特徴はこちら。一度セルフチェックも兼ねてやってみることをお勧めします。
学校だけではありません。
会社、家庭、自分自身。
全てにおいてこの「当事者意識」はとても大切な要素だと私は考えています。
自分の人生は自分で作る
自分はこの集団の一員であり必要な存在だ
そう思えることこそ
自分の人生を豊かにしていく大切な要素だと私は思うのです。
その意識を子供達に育ててほしい。
そう思い、全員でクラスルールを考え、話し合いました。
クラスは、ここにいる全員で作っている。
その意識を持たせると、どうなるのか。
ある授業をお伝えします。
クラスルールを決めて数日。
挨拶は、みんな元気よくてすがすがしい。
発言に対しては、クラスみんなが話しやすい空気を作ろう!ということで
聞く姿勢と話す姿勢の細かな行動まで作りました。
「みんな!クラスルールだよ!」と声をかける子が現れ
一人が発言する時は全員その人の方へ体を向け、話を聞いていました。
その度に「クラスルールできてるな〜」と感心しています。
しかし、なかなか「全員発言」はできない。
全員発言とは、1時間のうちに、全員が発言をすること。
授業内容的に、全員が発言するチャンスもないことが多いのですが
やはり、クラスで「発言が増えればクラスがハッピーになる」とみんなで確認し合ったので
なんとか全員発言できないかと機会を増やしていました。
すると、ある授業で
いい流れがきました。
そして
残り数人というところまで発言が続いた時
素敵なことが起こり始めます
クラスの中には
手があげられない、自分に自信がない子がいます。
もちろん、それが悪いことではありません。私自身発言しなくたってそれぞれの個性があるから良いと思っています。しかし、クラスみんなで「発言を大切にしたらクラスはハッピーになる」と決めたからこそ、時には勇気を出す場面も必要かもしれないと思っています。
そんな時
一人の子が
「先生、ちょっとみんなで話し合っていいですか?」と申し出ました。
「いいよ」というと
あと発言していない子の元に数名かけより
「何考えたか教えて?」
「これいい意見だと思うよ」
「書いてあるじゃん!頑張れ〜」
なんて素敵な言葉をかけ始めました。
そして、
「別に全員発言しなくてもいいよ。それが目的じゃないし」
「ハッピーのために発言するんだから、無理したら意味ないよ」
なんていう本質をつくアドバイスなんかも出ていました。
正直、「この子たちすごいな」と思いました。
そして、そんなやりとりがあったあと
勇気を出した数名により
全員発言達成です。
全員発言を達成した時
「うお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「やった〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「イイェ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
拍手喝さい。
紛れもなく、あの空間は、ハッピーな空間でした。
何がハッピーかって、
全員発言をしたことではなく
みんなが当事者意識を持って「クラスをハッピーにしよう」と考え行動したことです。
少しずつ、少しずつ
ハッピーな考え方をする子供が増えていったら嬉しいですね。