10000時間の法則というものを知っていますか?
「ティッピング・ポイント」や、「第1感 『最初の2秒』の『なんとなく』が正しいといった本で著名な、マルコム・グラッドウェルの著書
Outliers: The Story of Success
の中に書かれている内容を紹介します。
たとえば音楽学校でバイオリンを学んでいる生徒を
①ソリストになりそうなグループ
②プロオケでやっていけそうなグループ
③プロオケは無理でも音楽の先生になりそうなグループ
の3グループにわけて練習量を比較するという調査を行うと興味深い事実がわかるのだそうです。
全てのグループでバイオリンを始めた平均的な年齢は変わらず、「スタートが早かった」効果はグループでみると無視できました。
それに対して練習量は、他のグループは同じ年齢で 8000 時間、あるいは 4000 時間にしか達していなかったのに対して
ソリストになりそうなグループは計10000時間ほど、一週間の練習量も他のグループよりも飛躍的に高かったのです。
彼の調査によると
「練習をせずに天才的才能を発揮する人」も「いくら練習をしても上達しない人」も見られなかったそうです。
こうした「10000 時間の法則」は様々な有名人に当てはまるそうです。
ビートルズが売れるようになるまでの弱小バンド時代
1960年まだ売れる前のビートルズがドイツのストリップ劇場で毎日8時間もぶっ通しで演奏をしていた時のことを振り返り、ジョン・レノンはこんな言葉を残しました。
ハンブルクでは、1日8時間もステージに立たなくちゃならなかったから、新しいやり方を見つける必要があった。
演奏もうまくなり、自信もついた。一晩中、演奏してたんだから、嫌でもそうなるだろう。客が外国人なのもよかった。観客にわかってもらおうとますます必死に、全身全霊で努力した。
出典天才! 成功する人々の法則/マルコム・グラッドウェル, 勝間 和代
その当時を振り返り、メジャーデビュー直前まで、ビートルズのドラマーをしていたピート・ベストはこんな言葉を残しています。
僕たちの噂が広まると、クラブに客が詰めかけるようになった。週に7日働いた。最初は、ほとんど休憩なしにステージに立ち、閉店の12時半には仕事は終わったが、演奏がうまくなると、たいてい夜中の2時まで客が帰らなかった。
学んだのは体力だけじゃない。ものすごい数の曲も覚えなくてはならなかった--思いつく限りのあらゆる曲を。ロックだけじゃない。ときにはジャズでさえ。それ以前はステージで鍛えられてなかった。だけど帰ってきたとき、ザ・ビートルズは他のどんなバンドとも違っていた。それが成功を呼び込んだんだよ。
出典天才! 成功する人々の法則/マルコム・グラッドウェル, 勝間 和代
ビートルズだけではありません。
モーツァルトが独自性の高いコンチェルトを作曲するまでの推定時間も
10000時間
ビルゲイツは中学2年生の時に初めてコンピューターに触れて以来、大学を中退するまで日夜8時間以上プログラムの開発にのめり込み、約10000時間費やしていました。
この10000時間の法則は多くの反対意見もありますが
子供達に伝えるべきところは
10000時間頑張れ!ということではありません
伝えたいのは
天才は才能によって作られるのではなく、続けることによって作られるのだということです
子供はよく言います。
「〇〇君だからできるんだよ」「あいつは天才だから」
そう言って自分の力を悲観したり、自分の努力やコツコツ継続することに力を注がず
「あいつは天才だからできた」
という一言で、自分の可能性を閉ざしてしまうのは
もったいない!!!!!!!!!
10000時間本気で続ければ
自分だってその道のプロになれる!
そう思えたほうが、自分の可能性を信じたくなりませんか?
次回は、黒板を通して子供達に伝えた『聴くプロ』になろうという話を書きたいと思います。
中高大学生の方向けの10秒で読める名言集を載せています。よろしければご覧ください