【最後の手紙〜感謝〜】
あおい様。これが最後の一枚となります。
今まで、あおい様が、勉強に対して、新しい考えを持っていただけたら嬉しいなと思っています。
さて、私からお伝えする内容はこれで最後です。
しかし、その前に、あおい様に感謝を伝えさせてください。私は、あおい様がハッピー黒板を書いていただいてからの一週間、私自身「勉強とは何か」を真剣に考えました。
毎日図書館に通い、本を読みました。初めて講演会にも行き、大人から話を聞きました。
そして、手紙を書くことを通して、私自身成長することができました。どうしたら伝わるかな。そんなことを真剣に考え、何度も手紙を書きなおしました。これは、あおい様がこの質問をすることがなければ、できなかった経験です。
・・・まさかいつも宿題をやっていない私が、毎日宿題勉強が楽しくなるなんて。宿題を真剣にやれるようになるなんて。すべて”あーちゃん”のおかげだよ。ありがとう。
さて、最初に出した「条件」の話をするね。その条件。
それは、
次はあーちゃんが誰かの「笑顔の配達人」になって欲しいの。
大切な人の悩みや迷いをあーちゃんが「ハッピー黒板」と「手紙」を通して解決して、幸せにしてあげて欲しいの。
もちろん、あーちゃんにも分からない悩みもあるかもしれない。でも、あーちゃんなら大丈夫。
あーちゃんのハッピーがどんどん続いていきますように。いつもありがとう。
大好きだよ。あーちゃん。
「笑顔の配達人」より
「・・・ゆ・・い?」
涙が止まらなっかった。「あーちゃん」この呼び方をするのは唯だけだったから。
まさか、この手紙を書いてくれたのが、唯だったなんて。どれだけの時間を自分のために使ってくれたのだろう。
どれだけ自分のことを大切に思ってくれていたのだろう。
唯が自分のことを本気で思っていてくれた。それだけでもあおいの人生を変えるには十分なことだった。
あおいは家を飛び出し、唯の家へ自転車を走らせた。
早く唯に会いたい。あってこの口で「ありがとう」を伝えたい。
「唯!」
「あ、あーちゃん!どうしたの?こんな遅くに」
「ゆい・・・ありがとう。私、私、唯のおかげで私、今すごく幸せだよ」
「お礼を言うのは私の方だよ。あーちゃん。私、あーちゃんがあの黒板に書いてあることを見なかったら、勉強する意味なんて考えたこともなかった。考えもしないまま、勉強はつまらない。面倒くさいって言って終わってたと思う。それに気づかせてくれたのはあーちゃんなんだ。ありがとう。」
「私、唯に何もできてない。唯に何かしたいんだ。私の人生を変えてくれた。そのお返しに何かさせて!!」
「ううん。私もたくさんのものをもらったんだよ。それに、条件は読んでくれた?私が、笑顔の配達人をしようと思ったのは、あーちゃんのおかげなんだ。私も実は、あーちゃんの前に黒板に助けられたの。
その時の『笑顔の配達人』はさっちゃんだった。そうやって昔から、あのハッピー黒板は使った人全員を幸せにしているんだと思うの。
だから、『恩返し』じゃなくて、次の人をハッピーにするために『恩送り』をしてほしいの。そっちの方が、たくさんの人がハッピーになっていくでしょ?」
「唯はすごいね。同じ年齢なのに、大人みたい。」
「ううん。これも、すべて、あーちゃんの悩みを聞いた後に読んだ本とか、講演で聞いたことなんだ(笑)だからあーちゃんのおかげだよ」
「私もそんな風になれるかな?唯みたいにハッピーを広げていけるかな?」
「あーちゃんなら大丈夫。手紙の最初に書いてあったでしょ?『この手紙を受け取ったということは、あなたには「人生を変える力と勇気」があるということです。この手紙は、その力がある方にしか届きません』って。一緒にハッピーを広げていこう」
あおいは、心のそこから溢れる感謝の気持ちと、誰かのために自分の力を使いたいという気持ちが抑えられなくなっていた。
読み終えた後の条件は、笑顔の配達人が言っていた通り、『人生が幸せになった時、必ず行いたくなること』だった。
次の日。
「ねぇ健太〜あのゆうれい階段のうわさ知ってる?」
〜fin〜
いかがでしたか?
最後までおつきあいいただきありがとうございます。
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