今回は、部活動がとても活発になった方法と授業がとても活発になった「目的目標会議」という会議をご紹介します。
「目的目標会議」とは?
目的目標会議とは、その名の通り所属している集団の「目的」と「目標」、さらにそこにたどり着くまでの戦略や方法を明確化していく会議のことです。
「目的目標会議」のメリットは?
まず、全員が同じ方向に向かって進むことができるため、団結力が増します。
また、目的、目標が明確になったことで、日々の生活がそこに直結することが理解できるようになり、物事に取り組む姿勢が変わりました。
部活動では、毎日の練習の運動量が圧倒的に変わり、声が出るようになりました。日常生活でも整理整頓、部活前に昇降口が汚れていたら掃除を進んで行ってから部活に出るようになりました。授業における字を丁寧に書く児童が増えました。
そして。
0−3で負けていたチームに2−0で勝利しました。
クラスでは、とある目標に向けて、進んで発言する児童が出たり、教えあう姿が見られました。また、クラスの一体感が増しました。
算数が得意な子は算数のテストの予想問題を考えてくると張り切り
漢字が得意な子は、漢字テストの予想問題を考えてくると張り切っています。。
目的目標会議のやり方①
目的と目標の違いを知る
問題!!
高校球児のインタビューで
「夢は、甲子園優勝です!」と答えていました。
その「甲子園優勝」は目的でしょうか?目標でしょうか?
正解は
目標です。
しかし、これを子供達にすると、多くの子が間違ってしまうのです。
これは、目的と目標をごちゃ混ぜにしてしまっているからです。
まず、目的と目標の違いがわかるわかりやすい図を紹介します。
目的とは
目的とは「最終到達点」のことです。
もう少しわかりやすく甲子園を例にとって説明をすると
「目標である甲子園優勝を手に入れたとしたら、どんな気持ちになっていたいか。目標を達成した先にどんなことが待っていると思えるか」
それこそが目的なのです。
ある人は「自分の練習の成果を多くの人に見てもらって喜びたい」かもしれないし
ある人は「このチームが日本で一番最強だと証明したい」かもしれないし
ある人は「高校で一生心に残る思い出を大好きな野球で作る」かもしれません。
そんな、抽象的だけど、そこに行けるとワクワクする。
そこにたどり着きたいと本当に思える到達地点。それが目的です。
クラスでこの「目的目標会議」を行った時は、こんな質問に答えてもらって目的を確認しました。
目標とは
目標とは、目的にたどり着くための具体的な目印です。
誰もが、「目標にたどり着いたな」と分かるものが良いです。
そして、目標はたくさんあっていいし、小さく簡単なものから順に大きなものまであります。
例えば、甲子園球児の例でいくと
目的が「高校で一生忘れられない思出をつくる」という人は
「甲子園優勝」という目標の下には、県大会優勝、地区大会優勝という小さな目標があります。
実はそれ以外にも、
「高校の友達とギネス記録を打ち立てる」とか、
「高校生で世界一周をする」というような別ルートの目標だってあるかもしれません。
目的は、「高校で一生忘れられない思い出をつくる」なのですから、本人が「目的に近づいてる!この目標を達成したら、目的を感じられる!」と思えればよいのです。
学校での実体験〜目的と目標を明確にしたら起きた素敵なこと〜
部活動では
私が指導している部活動では
目的は各それぞればらばらでした。
「自分たちのチームでよ本当に良かったと思えること」
「最高の思い出をつくる」
「勝つ喜びを味わいたい」
などなど。
しかし、最大の目標は一つに定めました。
それが、大会ベスト4。
目的と目標を明確にしたことにより、やるべきことが自然と発生してきます。
ここまで考えてから「手段」です。
高い目的、高い目標を掲げれば
練習は質を極限まで高め、日常生活さえも意識を変えていかなければならないでしょう。
長くなりましたので端折りますが
今の部活動の子供たちは
グラウンドにいる時は、ボールを取りに行く時も全力です。
本気で部活の用具を整理整頓します。
掃除を自主的にします。
授業などで自分の名前を書く場合は、最後まで丁寧に書きます。
一見、あまり関わりがないように感じますが、一生懸命行います。
なぜかというと、
それが自分の目標にたどり着けると信じているからです。
そして、その目標にたどり着けると、目的を達成できると信じているからです。
これを「掃除させたい」からと言って厳しく指導したらできるでしょうか?
多分できません。
モチベーションが違います。
目的と目標を決めるとはそれくらいの価値があります。
いかがでしたか?
ぜひ、目標と目的を自分たちで考えてみてはいかがでしょうか?